「母性映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察!」と題してお届けします。
原作の小説「母性」は湊かなえさんが「これが書けたら、小説家をやめてもいい」とまで言うほどの、作者自身の魂が込められた力作となっていますよ。
ベストセラー作家がそこまで想いを込めて描いた「母性」という作品はどんな内容なのでしょうか。
「母性」の映画の結末を予想する為に、原作のあらすじネタバレを参考にして、映画と原作のラストの違いを考察してみたいと思います。
目次
母性映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察!
湊かなえ『母性』
─許される=愛される。
わたしの中だけで成立する式だった─自分は母と特別不仲ではないけれど、仲が良いとも到底言えないと思う。だから正直、母娘特有の絆とか愛だとかの類はあまり共感できない。母と息子、とも父と娘、とも圧倒的に違う何かがあり得るのかな。#読書記録 pic.twitter.com/JR2S7078Je
— 緋@文学部 (@bon__zin) October 4, 2021
「母性」では、女子高校生が県営住宅の中庭で倒れている出来事を発端に、ある女性教師の目線で語られる話から始まります。
そして、手記の内容に描かれる「私」という人物のストーリーが展開していきますよ。
最後まで名前の明かされない「私」と「母」は一体誰の事なのでしょうか?
最後に明かされるその物語の登場人物を知ったとき…物語は衝撃の展開を迎えますよ。
「母性」と言う深いテーマで描かれる、母と娘の関係とは?あらすじを追ってご紹介したいと思います!
ネタバレ①
とある、県営住宅で女子高生が倒れているのを母親が見つけたと言うニュースが流れました。
女子高生は自ら命を落としたのか事故なのか、どちらかの可能性を疑い捜査が進みます。
娘を発見した母はテレビのインタビューで「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられません」とコメントしました。
そのニュースを見た、女性教師はその一件の母親の言葉に関心を抱きます。
女性教師は、行きつけの女性店主が経営するたこ焼き屋「りっちゃん」で、同僚の国語教師とその一件について話をしました。
ネタバレ②
そして、ある母親について語る娘の手記の物語が始まります。
24歳の「私」は、絵画教室で知り合った男性の田所哲史と結婚しました。
理由は、愛する母が田所哲史の描いた絵を絶賛したからです。
しかし、同じ絵画教室に通う田所の同級生の仁美には、その結婚を何故か反対されていました。
私はその後、娘を授かりその名前は田所の母(義母)が決めました。
自分が母からもらった愛情をそのまま与えようと日々努力し、娘はとても良い子に育ち、母は私を褒めてくれたのです。
娘の小学校入学があと半年と迫った頃、夫の田所は激務で月のほとんどが夜勤になり、母に手伝いに来てもらっていました。
そして台風の日に悲劇が起きます。
激しい雨音と共に家が大きく傾き、母親と娘が箪笥の下敷きとなってしまいました。
そして、停電の灯りとして使っていた蝋燭が倒れ、居間には火が燃え移ってしまいます。
私は第一に母の救助を優先しようとしましたが、私の願いとは裏腹に母は娘を先に助けて欲しいと言いました。
そこで、私の記憶は曖昧となりますが、結果として家は全焼し、母は帰らぬ人となってしまったのです。
ネタバレ③
住まいを失った一家は田所の母(義母)宅へ移り住みました。
私は、義母に辛く当たられ、体調が悪くても家の仕事を手伝わされる日々を送ります。
ある日、田所家の次女・律子が出戻りします。
律子は黒岩克利と言うダメ男と結婚したいと家に連れて来ますが当然家族に反対されました。
傷ついた律子は一時的に引きこもりとなりますが、ある日忽然と姿を消します。
その後、田所哲史が律子を見かけますがもうこの世に居ない人間として扱うと告げられ、以降、律子との関係は終了しました。
律子が居なくなって義母は落ち込みました。
そのタイミングで私は二人目の妊娠が発覚し、義母と長女の憲子によって責められます。
長女の憲子は気性の荒い息子の英紀に手を焼き、半年前から実家に出入りする様になっていました。
家族の誰も手が付けられない英紀の世話は私の担当となります。
ネタバレ④
ある日、妊娠中の私が不正出血し絶対安静となり、義母からも許しを得て休んでいました。
その日も憲子は英紀を連れて来たので、私の娘は口汚く憲子と英紀を罵ったのです。
私は、それを聞いて衝撃を受け、逃げるように英紀と散歩に出かけました。
しかし、私の妊娠を知った英紀は事もあろうに私を突き飛ばして帰宅してしまったのです。
通りがかりの敏子と言う人が救急車を呼んでくれるも、「桜」と名付けていたお腹の子は流産してしまいました。
以来、憲子と英紀は家に来なくなります。
娘が中学生になった頃、敏子の手芸教室に私は通い、占いが出来ると言う敏子の姉・彰子に過去の出来事を言い当てられました。
そして、彰子は娘に悪いモノが付いていると言い、彰子から買った高額な薬を娘に与えます。
薬が効いたのか、娘の成績は上がり、性格も積極的になりました。
しかし、義母に叱責され敏子達との関係は絶たれてしまいます。
ネタバレ⑤
再び、物語は女性教師と国語教師の会話に戻ります。
女子高生落下の件のニュースで生徒の母親がコメントした「愛能う限り」と言う言葉の意味を探る二人。
女性教師は、何故そのような難しい周りくどい言葉をあえて母親が使ったのか違和感を感じていたのです。
国語教師は「母親にうしろめたい思いがあるのではないか」と女性教師が感じた思いを言い当てました。
そして、何故その一件に関心があるのかと女性教師に問い、女性教師は自分が「愛を求めること」について気になっていたのだと気がつきます。
女性教師は、その高校生に「母と娘という二種類が女には存在する」事を伝えたいと言いました。
国語教師は、その言葉を要約しそれは”母性のある女とない女”だと言います。
そして、「母性の無い女から生まれた娘だったとしても、悲しまず頑張れ」と伝えると言う、シンプルな考えを女性教師に提言しました。
結末ネタバレ
高校生になった娘は、父・哲史の日記を見つけます。
そして、父が同級生の仁美に心変わりがあったことも知りました。
哲史は、母を求める娘と、それを拒絶する母の姿が見たくないから家に帰りたくないと言います。
そして、祖母は火事で亡くなったのでは無く、娘の命か自分の命かを選択させる為に”自ら命を落とした”と言う真実を告げました。
娘は母に父から聞いた真実を母に告げると、母は娘の首に手をかけたのでした…。
娘は母を突き飛ばしますが、母に罪を着せてはいけないと自ら命を落とすことを桜の木の下で決意します。
しかし、枝は折れ助かり、微かな意識の中で母が「清佳」と叫ぶ声がしました。
娘はその時、初めて母から名前を呼ばれたような気がしていました…。
その「清佳」の正体こそが女性教師だったのです。
そして、清佳は学生時代から付き合っていた亨と結婚し、現在妊娠中です。
あのニュースで母親が口にした「愛能う限り」と言う言葉は、清佳の母の口癖でした。
清佳は自分の過去の経験から、生まれてくる我が子には自分が母にしてもらいたかったこと全てをしてあげたいと思っています。
そして、母の様にはならないと誓いました。
母性とは、清佳自身が母に求めたものを、我が子に与える事であると理解します。
母性映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察!
『母性』湊かなえ 読了
事実とは何かを、語り手目線のミステリーではいつも考えさせられる。優しい母か、手をあげる親か。母を疎む娘か、母の味方でありたい娘か。愛とはという問いより、母親と1人の人間との境界の存在や視点を生々しく見せつけられる作品な気がした。 pic.twitter.com/ecsz1oNwr8— まゆ/ まいにちnote (@pemagon) December 7, 2021
原作のラストと映画のラストはどんな違いがあるのでしょうか?
原作に忠実に再現された場合のラストと、こんなラストになっているのでは?と原作とは違った展開を紹介していきます。
原作のラストは?
手記の中で「私」と描かれいた人物の正体が、冒頭の女子高生が落下した件に興味を持つ女性教師の清佳である事が判明します。
そして、その手記の中の物語が、清佳の半生綴ったものであり、母との関係に葛藤する日々が描かれていました。
最後には、自分が母に何を求めていたのか、その意味と関係性を理解します。
そして、お腹に宿す子供との希望あふれる未来への想いを抱いて終了となっていますよ。
母と娘の心がすれ違う、悲しく切ない複雑な関係を2世代を通して描き、最後には明るい兆しを持たせていました。
ラストの違いは?
原作は少し明るい希望に満ちたラストとなっていましたが、映画でもしも全く逆のバッドエンドだった場合はどうなるのでしょうか。
母と祖母の真実を父から聞いた娘が、母にその真実を告げた後。
母は娘を手にかけようとしてしまった自らを悔いて自ら命を落としてしまいました。
そして、娘はその事をずっと後悔しているのです。
冒頭の女子高生落下の件を知り、国語教師との対話で母への思いに気がついた清佳ですが、その後悔と喪失感は埋められません。
お腹の子と自分がちゃんと向き合って生きていけるのか不安な清佳は、やがて精神を病んでいきます。
そして、再び桜の木の下で自ら命を落とす事を決意するシーンで終了…。
もしかしたら、そんな衝撃のラストが待っているかも知れません。
映画のラストシーンは一体どうなるのでしょうか?
以上、バッドエンドのパターンを考察してみました。
まとめ
「母性」の原作の結末やラストをネタバレでご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
母を求めている娘と、娘に求められながらも答えてあげられない母の切ないすれ違いがテーマとなっている作品でしたよね。
原作の小説では母と娘の視点で描かれる複雑な語りでの展開となっています。
このそれぞれ違った視点で語られるストーリーを映画ではどうやって映像化するのか、とても気になる作品ですよね。
原作を知っている方は、ラストに違いはあるのか考察してみてくださいね。
「母性映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察」と言うテーマでお届けしました。