「余命10年」は、若くして余命を告げられた女性がどう生きたかを描いた同名の小説の実写化です。
「彼女は最後の10年を生きる まるで、人生の始まりみたいに」というキャッチコピーがついたこの物語ですが、どんな10年が描かれているのでしょうか。
本記事では、原作のネタバレを元に映画の結末ラストの展開を考察します。
原作を読んだ方もまだの方も、映画「余命10年」最後のシーンの意味が気になる方はチェックしてくださいね。
また、原作ファンの方は映画ではどんな違いがあるのかも注目ですよ。
「余命10年映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察最後の意味は?」と題してお届けします!
目次
余命10年映画結末ネタバレ!
この坂口健太郎と小松菜奈の表情、好きすぎる。 pic.twitter.com/w4gnhC3xap
— しょーちゃん (@kamisan0728) September 22, 2021
20歳の茉莉(小松菜奈さん)は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命10年であることを告げられます。
未来が無い自分は恋をしないと心に決めましたが、同窓会で再開した真部和人(坂口健太郎さん)に恋心を抱いてしまうのです。
「衝撃の結末、涙よりせつないラブストーリー」と言われるこのお話の原作は、小坂流加さんによって描かれました。
彼女もまた、若くして余命宣告を受けた人物です。
そのため「余命10年」はフィクションでありながら事実と繋がる部分が多々あるんですよ。
それでは、物語のあらすじから見ていきましょう!
原作あらすじ①
#余命10年 読んでから小松菜奈ちゃんを見ると「茉莉ちゃん…」とすぐ脳内変換してしまう。 pic.twitter.com/IJs2IoDdVB
— く み ぞ う (@banana0877) November 19, 2021
20歳の茉莉は医師から自分が難病を患っていることを告げられました。
発症率は数万人に一人であること、原因や治療法が確立されていない難病であること、そして余命10年であることを知らされるのです。
自分に残された時間が10年しかないと知った茉莉は、人生に対して一つの決め事を作ります。
それは「恋愛をしない」というものでした。
大好きな人が出来れば、生きたいと願うことはどうしても避けられません。
恋をして誰かを大切に思い愛するということは、生きたいと願うようになり死が怖くなるということです。
残りの時間を心穏やかに過ごしたい茉莉は、何もかも諦めて生きることに執着しない日々を生きていこうと決めたのでした。
そうして、友人たちが歩む「普通」を外れて行きます。
22歳で退院したものの、食事や運動には制限がかかり就職が叶うこともありませんでした。
原作あらすじ②
茉莉はこれからの人生で何をしようか悩みます。
そんな茉莉に転機をもたらしてくれたのが、中学の同級生の早苗でした。
早苗は頭のてっぺんからつま先までオタク女子で、コスプレイヤーとして活躍していたのです。
茉莉は制限された生活の中でアニメに夢中になり、その世界は自分の知らない夢のような世界でした。
絵をよく描いていたこともあり、茉莉は早苗やその友人の後押しを受けて同人誌を描き始めます。
この本は、「私たちの命は有限である」ということを再認識させてくれました。
漫画を描いたり、コスプレを作ったりと、余命宣告を受けた人とは思えないぐらい活発に行動する茉莉ちゃんに、やりたいことは躊躇しないで挑戦すべきだと背中を押された気がします。#小坂流加 #余命10年 pic.twitter.com/tcmhuwxFT0— もちもちおかもち (@enpituha2B) December 27, 2019
なんの生きがいも見出せなかった人生に、楽しいことややりたいことがあふれ出した瞬間でした。
茉莉はひょんなことから小学校時代の同窓会に参加することになり、そこで同級生の和人と再会します。
和人は由緒正しい茶道の家元に生まれたマイペースな性格の男性です。
実は、和人にとって茉莉は初恋の人だったので再会した時も彼女のことを意識していました。
茉莉は病気のことを隠しているので友人とのやり取りに息苦しさを感じていましたが、なぜか和人には安心感があったのです。
そして二人は、その後何度も会うようになりました。
原作あらすじ③
病気や余命のことを打ち明けないままでしたが、和人のことを好きになる気持ちを止められない茉莉がそこにはいました。
和人は茶道の家元に生まれ、後継ぎとしての期待を一身に背負って育ったせいで子供時代に心を壊し、それ以来実家とはうまくいっていないようでした。
そこで、茉莉は和人に内緒で和人の実家の体験入門茶会に行ってみることにしました。
着物を着て行ったせいか、茉莉はお茶会のあと気分が悪くなって倒れてしまい和人の母親に助けてもらったのです。
その時に和人の母親から、和人には結婚したい人がいたことを聞いてしまい茉莉の心はチクリと痛んだのでした。
お茶会でのことがあってから、茉莉は自暴自棄になっていました。
「逃げ続けてバカみたい」と和人に悪態をつき、悪い雰囲気のまま帰ってしまったのです。
原作あらすじ④
一方的にひどいことを言ってしまい、もう和人と会うこともないだろうと思っていたら和人が「仲直りしよう」と茉莉の家を訪ねてきました。
そして、一緒にスノーボードに行く約束をしたのですが、茉莉は一瞬で元に戻ってしまった自分の気持ちを恨めしく思いました。
スノーボードは日帰りでしたが、夕方から激しく雪が降り始め帰れなくなった二人は車の中で1泊することになってしまいます。
そこで、「恋をしない」ということを諦めた茉莉は和人に「あなたを好き」と伝えたのです。
付き合い始めて半年、茉莉はやっと和人に胸に大きな手術の跡があるから見られたくなかったと告白することが出来ました。
でもやはり、余命のことは伝えることが出来ていません。
和人のことを深く知り、彼のおかげで生きている喜びを感じれば感じるほど死の恐怖を感じるようになりました。
原作あらすじ⑤
今読んでいる箇所は茉莉ちゃんの誕生日に真部和人くんから家電がかかってくるという個所。
茉莉ちゃんはペリドットの指輪とジャスミン花をお姉さんの桔梗さんからもらったと話している。
ジャスミン花=茉莉花。
茉莉花、私も好きです。和人くんは七夕生まれ。中の人と誕生日が近いね
— ジェミニ (@jemini912) October 25, 2021
余命まであと3年の茉莉の27才誕生日、デートの後に和人は茉莉にペアリングを贈ります。
ホームで別れ、和人が振り返ると茉莉が倒れていたのです。
病院で茉莉の父親と初めて顔を合わせた和人は、父親の口から余命があと3年だと衝撃の言葉を聞きました。
そのことを聞いた和人は退院した茉莉を実家に招待し、プロポーズをします。
茉莉の答えは、「彼女にしてくれてありがとう、さようなら」でした。
自分は必ず死に至る難病で余命宣言を受けているあことを告げ、もらった指輪を返して帰りました。
すると1週間後、和人が訪ねてきました。
どうしても残りの時間を茉莉と一緒にいたいと懇願する和人でしたが、茉莉は受け入れませんでした。
そして茉莉は、和人に伝えたいことは全て伝えられたからもう準備はできたと思ったのです。
余命10年映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察最後の意味は?
2022年春 映画「余命10年」
坂口健太郎×和人#余命10年#坂口健太郎 pic.twitter.com/MZYODrOewN
— た ろ (@tatota117) September 21, 2021
和人のプロポーズを断り、茉莉の余命はあと3年となりました。
残された3年間で和人と同じ時間を過ごすことは本当にできないのでしょうか?
原作の結末を紹介していきます。
原作の結末は?
小坂流加 著
『余命10年』#読了全体的にリアルな人間関係を通した描写に見入り、結末のどことない懐かしさがとても感動しました。号泣しました。 pic.twitter.com/zTnSVYrXal
— とある高校生@読書垢 (@shino1128dayo) November 23, 2021
茉莉の残された時間は淡々と過ぎていき、残酷に「当たり前」が手のひらからこぼれ落ちていきます。
病状が悪化し入院を余儀なくされたため、実家での日常を失いました。
歩くこともままならなくなり、ベッドから身を起こすこともできなくなりました。
大好きだった漫画を描くことも、コスプレの衣装を作ることもできなくなってしまったのです。
そして茉莉は和人に見送られることなく天国へと旅立ちました。
茉莉の死から8年後、和人はある報告をするため茉莉と過ごした小学校へと足を運んでいました。
小学校の図画工作室の棚には彫刻刀で掘られた相合傘が残っています。
もちろんそこにあったのは和人と茉莉の名前でした。
和人はそこにいる茉莉に向かって心から愛していると思える人と出会えたこと、その人と結婚することになったことを報告しました。
そして、校舎の外にある焼却炉に向かい茉莉に渡して返されてしまったペアリングを投げ入れました。
和人は自分の生きる道を歩き始めることを決意したのでした。
原作との違いは?
昨日読み終わりました🥲
言葉がなかなかでてこないけど
最終章の和人から吐き出された茉莉への言葉に涙が止まらなくなった🥲#余命10年 #坂口健太郎 #小松菜奈— 如月ゆゆ (@YY_00_lune) November 16, 2021
原作は残念ながら茉莉の病気が治ったり、和人に最期を看取られるというあらすじではありませんでしたね。
このあらすじは映画のラストにおいても大きく内容が変わることはないのではないでしょうか。
ただ、原作は茉莉の死に関しての詳細は描かれていません。
文字では描かれなかったシーンが、死を目前に控えた茉莉の心情とともに映像で描写される可能性がありますよ。
また、和人の結婚後や茶道の家元としてどう成長していくのか、茉莉との回想シーンとともに描かれる可能性があるのではないでしょうか。
姿は見えなくなってもなお、和人を支える茉莉の姿が映し出されるかもしれませんね。
号泣必至のラストになる事は間違いないので、劇場へ足を運ぶ際にはハンカチやタオルが必須ですよ。
最後の意味は?
物語の結末として、和人はペアリングを焼却炉に投げ入れ結婚する道を選びます。
その相手は、茉莉に報告していた「茶会に出て見合いする相手」とは別の人のようです。
愛していると心から思える人をやっと見つけた和人が小学校に来たのは、思い出を捨てるためでした。
その後、あるひとりの少女によって、変わらず伝説として図工室の棚のベニヤ板が存在している事が分かります。
少女は自分と想い人の名前を彫り、「混み合った愛の中心に、ふたりがいた。」とあります。
この事からも、伝説として何年も語り継がれた事で和人と茉莉の名前の周囲には数多くの名前が刻まれているのだと分かりますよね。
和人を生かすために生きていた茉莉が、亡くなってもなお和人に前を向いて歩かせる存在である事、そして多くの生徒たちにとっても同じ存在になっているというのが最後の意味ではないでしょうか。
※映画「余命10年」あらすじは追記します!
まとめ
ネタバレを紹介しながら原作とのラストの違いを考察してみましたがいかがでしたか?
余命10年の宣言を受けてから亡くなるまでの10年が描かれていますが、死と向き合いながらの人生は途方もなく長いものだと感じさせられる物語です。
茉莉のリアルな生き様が、様々な人の心を動かしていることが共感できたのではないでしょうか。
ロードショーの日程が近くなり、「余命10年」がますます楽しみになってきましたね!
以上、「余命10年映画結末ネタバレ!原作との違いラスト考察最後の意味は?」と題してお届けしました。